WordPress初心者がやるべき5つのセキュリティ設定

WordPressを始めたばかりの初心者が必ずやるべき5つのセキュリティ設定を徹底解説。ログイン防御やバックアップ、監査ログまで、事例を交えてわかりやすくまとめました。

はじめに:WordPressは“狙われやすい”?

世界のWebサイトの約40%以上がWordPressで作られています。利用者が多いということは、それだけ攻撃者にとって「狙いやすい標的」ということ。
特に初心者が構築したサイトは、初期設定のまま放置されているケースが多く、攻撃にとって格好の的です。

「立ち上げたばかりだから大丈夫」ではなく、最初の設定段階で守りを固めることが、後の大きなトラブル回避につながります。

WordPressロゴの前でノートPCを操作する初心者を、盾と鍵を持つヒーローたちが守っているイラスト。サイトセキュリティを象徴。

セキュリティ設定1:管理者アカウントの最小化+MFA

危険な例

  • “admin”というユーザー名をそのまま利用
  • 管理者権限のアカウントを複数人が共有

やるべき対策

  • 管理者は1名に絞る
  • 他のスタッフは「編集者」「寄稿者」権限を付与
  • 多要素認証(MFA)を必ず有効化
    → Google AuthenticatorやAuthyなどのアプリを使う

セキュリティ設定2:ログイン防御

WordPressで最も多い攻撃はブルートフォース攻撃(総当たりログイン)。
対策方法

  • ログイン試行回数制限プラグイン(Limit Login Attempts Reloadedなど)
  • reCAPTCHAを導入してボット攻撃をブロック
  • 管理画面のURLを変更(/wp-admin → 任意の文字列)

セキュリティ設定3:更新と互換性管理

放置されがちなリスク

  • プラグインやテーマの更新を忘れ、脆弱性を突かれる
  • 無料テーマのコピーサイトに感染コードが仕込まれる

対策方法

  • コア・テーマ・プラグインの自動更新設定を有効化
  • 本番前にステージング環境で検証
  • 不要なプラグインを削除(“入れっぱなし”は危険)

セキュリティ設定4:バックアップ戦略(3-2-1ルール)

3-2-1バックアップルール

  • 3つのコピー
  • 2種類の異なる媒体
  • 1つはオフサイトに保管

実践例

  • プラグイン(UpdraftPlusやBackWPup)で自動バックアップ
  • DropboxやGoogle Driveに定期転送
  • 復元テストを定期的に実施

セキュリティ設定5:監査ログと改ざん検知

重要な理由
「誰がいつ、どのファイルを変更したのか」を把握できることは、不正アクセス検知のカギ。

対策方法

  • 監査ログプラグイン(WP Activity Logなど)で変更履歴を保存
  • 改ざん検知プラグイン(Wordfence, Sucuri)で異常を検出
  • 通知設定をオンにし、怪しい動きがあれば即対応

SMBケーススタディ

  • 茨城の工務店サイト:更新を怠った結果、スパムリンクを仕込まれ検索結果が汚染
  • 飲食店のWordPress:無料Wi-Fiから不正ログインされ、メニュー改ざん → 売上に直結する被害
  • 小規模NPOサイト:バックアップがなく、全データを失って再構築費用が数十万円に

これらはすべて初期設定+運用習慣で防げた事例です。

まとめ

WordPress初心者がまずやるべきことは「5つの基本を守る」こと。

  • 管理者アカウント管理
  • ログイン防御
  • 更新管理
  • バックアップ戦略
  • ログ監査

これを押さえれば、サイトのセキュリティは格段に高まります。

FAQ

Q1. プラグインは何を入れるべきですか?
最低限、ログイン防御・改ざん検知・バックアップの3種類です。

Q2. 自動更新は危険ではありませんか?
ステージングで検証とロールバック準備をすれば安全に運用可能です。

Q3. 無料でどこまで対応可能ですか?
基本的な防御策は無料で十分。ただし運用体制を整えることが重要です。

How-To:初心者向けセキュリティ設定の流れ

  1. 管理者1名+MFA有効化
  2. ログイン試行回数制限とreCAPTCHA導入
  3. 自動更新ポリシーを設定しステージング検証
  4. 3-2-1バックアップを自動化
  5. 監査ログと改ざん検知を設定